ブルベ用ライト:ハブダイナモ化への道(その1):ホイール手組でハブダイナモ化

スポンサーリンク

ブルべ用ライトとしてハブダイナモを導入した際の記録です。

この時に導入したハブダイナモSONDeluxは、10年たった今でも何も問題なく普段使いでも現役で使えています。

導入したのは2011年ですので既に10年前の話になります。10年前の話なので、当時よく使っていたCATEYEの520など既にもう廃盤になっているライトの話が出てきますが、記録として残しておくことにしました。以下10年前の記事の再掲です。

スポンサーリンク

ハブダイナモ導入の背景:ロングライド用のフロントライトを求めて

積年の課題であったブルベ用のライトとしてハブダイナモをようやく導入してみることに。

ブルベ用ライトとしてハブダイナモを購入する動機は3年前から参加している国内開催の1000kmブルベ、宇都宮1000、埼玉1000、中部1000。ブルベでは普段滅多に走ること無い街灯が全く無い完全な闇の峠道を夜中に越えていかなければならないことがままあり、そのため前照灯は重要な装備で、前々から試行錯誤を続けてきました。しかしSRの取得条件である600kmまでのブルベならまだ楽なのですが、PBPに代表される1200kmのような1000km以上のブルベでは色々と工夫を凝らして前照灯として非常に強力な高輝度LEDを採用した電池式のライトを装備したとしても様々な問題が発生します。

その解決策の一つとしてハブダイナモ化を以前から考えていたのですがなかなか実現せず今回やっと思い腰を上げた次第。

上の写真はようやく届いたハブダイナモ化用の部品、 SONDelux 。STARBIKEから購入。今回が初STARBIKでした。

https://www.starbike.com/en/

ブルべ用ライトの試行錯誤:DNFを避けるために

ブルベでは前照灯としてどのようなライトを利用するのが良いのか随分と試行錯誤してきました。なにしろブルベでは「暗い=非常に危ない+怖くてスピード出せず=DNFの危険性が加速度的に増す」という悪魔の方程式が成り立つので。最初のこのような体験は相方と共に参加した3年前の沼津600。これが初めて600kmのブルベでした。沼津600は沼津をスタートして御前崎からひたすら登って新野峠を越えるルートで、必死に登って峠手前でちょうど日没。登りはまだ街灯が少しあったしスピードもゆっくりだったので良いのですが、下りは全く街灯が無い完全な闇。それまで「完全な闇の峠道下り」というものを体験したことがなく、どの程度の明かりが必要か全くわからずとりあえず相方共々キャットアイの520を2灯装備して挑みました。

キャットアイの520は当時では明るい部類の自転車専用ライト。でも雨で路面が濡れてて青白いLEDの光が反射してしまった事もあってか、真っ暗な道を下るには光量が全然足りずに下ってる先が道なのか崖なのかそれとも側溝なのか全然わからず、本当に生きた心地もせずにとにかく必死に路肩の縁石を目で追いながらそろりそろりと下るしか出来ませんでした。そして本来は時間を稼げるはずの下りで肉体的にもまた精神的にも疲れはててしまい制限時間に追われて休息もままらなず、その後結局伊那から少し行ったところで翌朝10時頃相方と共にDNF。

キャットアイの「HL-EL520」
キャットアイの「HL-EL520」をご紹介します。

キャットアイの520。自転車用で振動にも強く、街中ならこれで充分。でも真っ暗な峠を下って行くには光量が足りません。

その次に私だけで参加した宇都宮400では沼津600の反省を生かしライトを新調しキャットアイ520より明るいGENTOS305の2灯体制で挑戦。しかし宇都宮ブルベ特有の車通りの少ない民家がほとんど無い山岳コースのためしばしば現れる街灯無しの真っ暗な峠では、GENTOS305の2灯体制であってもあまりにも非力であることを痛感。

試行錯誤の末に4灯体制に:18650リチウム電池ライトを導入

その後はブルベな皆さんから色々と教えてもらい高輝度LEDライトという新しい世界を知り、最終的に現状はメインのTrustFireのTr801+予備のL2D+フロント車軸に取り付けた直近を照らすキャットアイの520+ヘルメットに取り付けたヘッドライトのティカXPという4灯体制に落ち着きました。

このような4灯体制だと路面の状況に合わせて融通が効くので便利です。例えば街灯がしっかりある街中ではキャットアイの520+ヘッドライトだけでも充分明るい。夕闇が迫ってきている薄暮の時間帯ならキャットアイ520を点滅で使えば視認性も高い。逆に街灯無しの真っ暗峠では18650リチウム電池を使うTr801を点灯させればそれだけでもかなり安心して下っていくことが可能。18650を使うTr801は本当に明るいです。Tr801と併設しているL2Dは点灯時間が2時間半程度と短いTr801が消えた時などに使用するサブライトとしての位置付け。サブライトといっても、L2DはメインのTr801と比べるとさすがに若干光量が落ちますが、これは18650リチウム電池を使うTr801が明るすぎるためであって、基本的にキャットアイの520、GENTOS305などに比べると格段に明るい。L2Dだけでも真っ暗な峠を安心して下れるくらい明るくメインライトとしても充分使えます。しかしその最大のメリットは普通の単3が使える事。次のコンビニまで走れれば電池を補充できる安心感は別格で、予備ライトとしては最適と判断して使ってます。

もちろんTr801とL2Dを同時に点灯させれば怖いものがないくらいかなり最強になれる。

各ライトの光量は実感として以下のような感じ。

Tr801>L2D>>>>GENTOS305>520

最終的にはこのようにしてようやく満足できるだけの明るさを手に入れた訳です。

こちらがTr801。購入したのはDealExtremeから。

https://www.dx.com/?Utm_rid=50249121&Utm_source=affiliate

電池の量問題が発生:ライト用・GPS用で大量の電池を持ち運ぶ羽目に

が、同時に別の問題に悩まされることになりました。それは持っていく予備電池の量。予備電池を持っていかなくてもコンビニで電池を購入して使用済み電池を捨てられれば楽なのですが、18650はそもそもコンビニでは売ってないし充電池だし、他の単三単四電池も安く上げるためにエネループなどを使えば捨てる訳にはいかず、ならばと普通のアルカリ単三を使用したとしてもさすがに電池の処理までしてくれるコンビニはほとんど無し。黙ってゴミ箱に捨てちゃえっていう行為はコンビニに迷惑なのでしたくない。話は変わりますが以前のブルベでPCだったコンビニの店員がやたら不機嫌なので話を聞いてみると、ハサミを貸してくれって言われて貸したらそれでブレーキワイヤーを切られて歯がボロボロになって返されたと聞いたことがあります。ブルベを走る者としてそういう嫌な思いをさせるのはなるべく避けたいところ。

したがってエネループなどの充電池を予め持っていくのであれば大量の予備電池を、コンビニで補充するのであれば大量の使用済み電池を、どこかで合法的に廃棄できない限り常に持って走らざるを得なくなる訳です。

でも600kmのまでのブルベだと1晩だけで済むのでこの持ち運ばなければいけない電池は大した量ではないです。全然大丈夫。そのため持ってく電池の重さは大したことないです。余裕。

しかし1000kmまたはPBPなどの1200kmのブルベとなると話が急に違ってきます。1000kmでも人間離れした速い人はともかく普通の人の場合は(少なくとも私の場合は)おそらく3晩分の予備電池を持っていく必要が出てくると思います。すると持ち運ばなければならない電池が相当な量になってしまうのです。

この量は精神的にも重荷になりそうな感じ

ちなみに今回の中部1000で持っていった18650リチウム電池とエネループ系の充電池を並べてみるとこんな感じ。この写真にはライト用の予備電池だけでなくGPS充電用の電池も入ってます。最近はブルベでのGPSは無くてはならない装備になりつつあり、私もForetrex201という地図なしGPSを以前から愛用。Foretex201は私の走力だと約200キロ毎に単3×2本で充電をする必要があるので1000km分としてGPSだけでも単3×2×4=8本(最初の200㎞は充電分を使用して残りの800㎞用の8本)の充電用予備電池が追加で必要になるわけです。

Foretrex® 201 | Garmin
The Foretrex 201 is a lightweight, waterproof wrist-mounted navigator that runs on a rechargeable lithium-ion battery and is ideal for any activity that require...

中部1000ではこれらの予備及び使用済み電池が途中で重くて重くて、コースの後半、木曽を抜けた所でその先に待ち構えてる2つの1000m級の峠をとてもじゃないけど登れなそうな気がして思わず途中のコンビニから自宅に郵送しました。これは次第に疲労に押しつぶされつつある中部1000の3日目の昼の出来事でした。

そういう訳で夜間の明るさ確保+持っていく予備電池の量を減らすためにハブダイナモを導入についてずいぶん前から検討してきました。毎年のブルベシーズンが終わると今年こそは!と意気込んでたのですが結局何もせず。ようやく今年思い腰を上げて踏み切った次第。

yoko99
yoko99

あと、当時は18650電池の品質の不均一(もしかしたら充電のミス?)にも悩まされました。

全部の18650電池を満充電したつもりで持って行っても、10分くらいで暗くなってしまうなど何回かありました。持っていく電池の量は最小にしたいので、この点も困りました。

ハブダイナモ化に向けての情報取集:海外通販でシュミットのハブダイナモを入手することに

まずは情報収集。最初にブルベライトハブダイナモ化の基幹部品であるハブダイナモについて調べていくとどうやらシュミットのハブダイナモが耐久性と走行時の抵抗が少なくていいらしい。しかし高い。それも結構高い。高いのでここは定番の海外通販へ。海外通販するなら自然とパーツ毎になる。ならばどうせパーツ毎にするのであればこの際ホイールも購入して手組をしてみようかと話の流れに。ハブダイナモ導入に「ホイール手組で」というあらたらな課題が付け加わったのはこういう理由から。

手組ホイールにも挑戦

でも実はホイールを手組するということには長距離ブルベでのスポーク折れ対策の意味も有りぜひやってみたかったことのひとつ。現在メインで使ってるCHERUBIM号のホイールはShimanoのRS30でスポークの数が少ないリムが少し高いセミエアロタイプ。このホイール、巡航速度を30km以上に上げるとす〜っと軽くなるゾーンに突入し結構走りやすくて気に入ってます。スポークはエアロ効果を狙った幅広タイプでめったに折れることはないと思うのですが、スポークの数が少ないことを考えるともし1本でも折れたらそこでDNFになる可能性は大きいのではと心配。その点、32とか36本の手組ホイールであればスポークが1本折れても他のスポークを調整すればなんとかその後も走れるはずだしさらに運がよければ街の普通の自転車屋で修理もできるかもしれない。

とにかく長距離ブルベのように走行距離が伸びればそれだけ普段起きないリスクの発生確率が高まることは確か。でも手組ホイールであればそのリスクの一つであるスポーク折れによるDNFリスクを減少させる事ができ、たとえスポークが折れたとしても何らかの創意工夫でさらにDNFリスクを少なくすることが出来るはず。

もちろんその他としてはまだホイールの手組をやったことが無いのでやってみたいという単純な興味も有り。果たしてうまくいくのかわからないのですが、このような理由でハブダイナモを海外通販して手組ホイールに挑戦してみることになった次第。

yoko99
yoko99

この時組んだハブダイナモ付きの手組ホイールは、今でも常時使用中です。

トンネル入った時にフロント・リア共に自動点灯するので普段の走行でも便利です。

ハブダイナモについては分解して掃除とかは一切していませんが問題なく使えていますので、シュミットのハブダイナモの耐久性は高いと思います。

yoko99
yoko99

2022年から約5年ぶりにブルべに参加し始めました。

メインのライトは変わらずハブダイナモライトのルモテックですが、サブライトとして充電式のライトも購入してみました。ライトの世界の5年の進化はものすごいと改めて思いました。

コメント