ブルべ用ライトとしてハブダイナモを導入した際の記録です。
この時に導入したハブダイナモSONDeluxは、10年たった今でも何も問題なく普段使いでも現役で使えています。
導入したのは2011年ですので既に10年前の話になります。10年前の話なので、当時よく使っていたCATEYEの520など既にもう廃盤になっているライトの話が出てきますが、記録として残しておくことにしました。以下10年前の記事の再掲です。
シュミットのハブダイナモについての調査
シュミットのバブダイナモを使って手組ホイールでハブダイナモ化という話の大筋が決まったのは2010年の最後のブルベ中部1000が終わって1ヶ月ほどたった頃。毎年1000kmブルベが終了するたびに今回こそハブダイナモ化だと意気込むのが恒例行事になってたのですが、もろもろの理由でそこで止まってました。今回はやっと重い腰をあげた次第でまずは情報収集。
そこでシュミットにはどんなハブダイナモがあるのかHPで確認です。
ハブダイナモは当然ながらホイールが回転しそのハブの位置にある発電機が回ることで発電される仕組み。したがってホイールの大きさが変われば当然同じスピードでも回転数が変わってくる。なので使用するホイールの大きさによっていくつかの製品が提供されてます。上の写真はSONDelux。今回はこのSONDeluxでホイール手組する予定。
ホイールの大きさによって幾つかの種類のハブダイナモが販売されてます。
まずはSON28。これは650C、700C用のハブダイナモ。
次にSON20。これは16インチ、20インチ用のハブダイナモ。
そしてブロンプトンなどの小口径用で幅が狭いホイール用にSONNX100。
ところでSON20と同じ形のSONDeluxという2つの製品が売られているのですが、これらはどうやら全く同じ物らしい。なぜそうなってるかというとSONのハブダイナモを製造しているシュミットがあるドイツの法律が関係しているとのこと。詳しいことはよくわからないのですが、SON20を700Cのホイールに取り付けて走行した場合、ドイツの法律で定めているスピードで規定の明るさが出なかったらしい。でもこれはハロゲンライトを接続した場合で近年のLEDライトの進歩のおかげで700CのハブとしてSON20を使用しても問題なく規定の明るさを出せることがわかったので、ある次期以降に作られたSON20は700Cにも使えるよとアピールする意味も込めてなのかSONDeluxと商品名を変更して販売しているとのこと。つまり20とDeluxの違いは刻印されている商品名だけという話のようです。
また、SON20より小さいSONNX100を使うと一番軽くなるのではという気がするのですが、確かに走行抵抗は小さくなるようですが、ハブダイナモの重さは自体はSON20のほうが軽いとのこと。ここら辺の理由はよくわかりません。
シュミットの現在のラインナップにはSON20は無くなったみたいですね。
SONDelux は未だカタログに載っていてます。ハブダイナモからのUSB給電などをしたい場合はSON28、転がり抵抗が小さい方が良ければSONDeluxという選択になるみたいです。
こちらはamazonで売ってるシマノのハブダイナモ。
SON20(SONDelux)を選定
ともかくこの事からもわかるように、700Cのホイールを履いてる一般的なロードレーサのハブダイナモとしては基本的にはSON28が推奨されてます。
でもSON20を700Cのホイールで使ってもLEDライトを使っても明るさは充分で、逆に700CでSON28を使った時より走行時の抵抗が少なくなるというメリットも出てくるようです。今回の主な使用目的は長距離ブルベなのでこれはぴったりな話。そんな訳でメインのパーツであるハブダイナモとしてはせっかくなのでSON20(SONDelux)を購入してみることにあいなりました。
そしてSON20を700Cホイールで使うことで抵抗を小さくできるという話は、2年前にハブダイナモについて調べ始めたときに教えてもらった資料にも書かれている話。
資料によるとSON20を使った場合、低速域では出力が上がらないが、20㎞で定格の6V になり20㎞以上になるとSON28より回転抵抗の面で有利になるらしい。低速域で出力が上がらないというのは、傾斜のきつい坂道ではライトが点滅状態になるという程度らしい。ブルベのレギュレーションでは前照灯として2灯以上を装備することが求められていますので、ハブダイナモライトを前照灯として装備したとしてもL2Dクラスの単三を使用するライトをサブライトとして使うでしょうから、もし低速域で明るさが不足したらそちらを点灯すれば良い話。
こうして使うハブダイナモはSON20(SON Delux)に最終決定。
ハブダイナモ用ライト:Lumotec IQ CYO R Senso Plus
そして次のパーツはハブダイナモ用ライト。
実は以前ハブダイナモ用のLEDライトの自作も試みてたんですが、この機会にとりあえずハブダイナモ用LEDライトも海外通販で手に入れてしてしまおうとライトについても調べ始めました。でもライト自作は諦めたわけではなく、とりあえずお手本として製品版のライトを手に入れておこうという心づもり。なにしろハブダイナモ用ライトを調べ始めると、明るさも充分なのに加え、その配光パターンが普通の懐中電灯のような円形ではなく長方形で走行するラインに沿って照らされるなどの工夫が施されていて、ライトの自作でここまでするのはかなり大変な事なので。
前述したとおりSON20は20インチ以下のタイヤ用なので700Cに付けると回転不足でハロゲンライトでは充分な光量を得られないらしい。したがって購入するのは必然的にLEDタイプに。ちなみにSON20ではなくSON28 を700Cに使った場合、ハロゲンタイプであれば2連装も可能らしい。ハロゲン2連装ができるというのは趣があってなかなか絵になると思うが(多分カッコいいと思う)、今回はパスです。
シュミットのハブダイナモ用のライトを販売しているのは何社がありますが、ハブダイナモを発売しているシュミット社のライトはえらく高いのでパス。そして費用対効果を考えると自ずとブッシュ&ミューラー社のライトに的が絞られました。
ブッシュ&ミューラのLEDタイプのライトの最新型はLumotec IQ Fly RT with Licht 24 technologyという物らしい。従来の製品に24 technologyというものが付け加わったタイプで、この24 techologyは何かというと、どうやら日中でも視認性を良くするために常にLEDが点灯する仕組みらしい。モデルを見てみるとライトの下部に独立したLED部が見えるのでその部分が日中でも光るのだと思われます。これは安全上大変好ましい改善なんですが、小さいLEDとはいえ点灯させていればやはりその分負荷になるはずなので今回はそこまで要求するのはやめて1つ前の製品であるLumotec IQ CYO R Senso Plusという製品にしてみることに。
このSensoがついているモデルはON、OFF、Sensoの3つのモードがあるとの事。ONとOFFはライトのON、OFFで、Sensoというのは暗くなったら自動点灯するモード。トンネルなどで自動で点灯してくれると結構重宝するのでSensoモデルにすることにしました。テールライトも連動するようでうまく行けば現在取り付けているpansonicの自動点灯テールライトの代わりになるかと期待したのもSensoモデルにした理由の一つです。
直近から明るく照らすタイプを選択
またRというのはリフレクターがついているモデルの事で、全面の光が透過する面が平滑ではなくギザギザのパターンが一部に施されているもの。このおかげで光の広がり方が大きく直近から明るく照らされる配向パターンになるらしい。おそらくその反面、リフレクターが無いモデルに比べると遠方を照らす能力が低くなると思われますが、そもそもかなり明るそうなライトなので、直近から照らされる配光パターンを重視してRモデルにしてみることに。
直近を照らすことに付いては現状のブルベ用ライト装備でもこだわっている点。その結果、現状でも直近へのライト照射を主な目的として前輪車軸にキャットアイの520を装着。キャットアイの520はメインライトであるTrustFire801やサブライトであるL2Dよりにはその明るさは劣るのですがそれでもそこそこ明るく、特筆すべきはその点灯時間が長い事。2日間くらいは余裕。そのため前輪車軸に取り付けて直近を照らすライトとして重宝しているのですが、単3×4本必要なため結構重い。
直近の明るさを重視するのは、かつて被った苦い経験が原因です。それは3年前年の宇都宮1000で水田の脇を通る田舎道夜間走行していたら突然現れたフーチングの隙間にもろに突っ込んで両タイヤに穴が開きDNFしたという経験。あの時は雨も降ってて路面が見づらかったが、今のようにリチウム電池の18650を使うTr801などの明るいライトを持っておらずGENTOSの305を使用し、なおかつ電池の消耗を防ぐためケチってライトを使っていためフーチングの隙間に気がつくのが遅れた。あの迫ってくるフーチングの隙間は今でもはっきりと脳裏に焼き付いていて、そんなトラブルはできるだけ回避したいため直近を照らせるRがついたタイプのライトにした次第。
Standlightという機能がついているらしい
またブッシュ&ミューラーの製品には共通してStandlightという機能がついてるようです。これは停車した際にも内部のキャパシタに貯められてた電気で数分間は光続ける仕組みが搭載されているというもの。どうやらブッシュ&ミューラー社があるドイツでは停車した際にもいくらかの時間は光り続けなければならないと法律で決まっているようでこのような仕組みが標準装備らしい。キャパシタによる蓄電を利用したこういう機能は大歓迎。
またLumotecIQ CYO R Senso Plusにはテールランプ用の配線も装備されているので前述したようにテールランプも同時に購入しておくことに。テールランプはこれまたドイツの法律で点滅はしてはならないと決まっているらしい。これは点滅するテールライトの光で幻惑されたり眠りに誘われたりする事があるためとのこと。ブルベのレギュレーションと一緒なんですが、私の場合単独走が多いためか点滅ライトで眠気を誘発された経験はあまり記憶にないので実感としてよく判りません。まあブルベのレギュレーションにあっているのでこの仕様は歓迎すべきところ。
テールライトの種類もいろいろあって悩ましいところですが、リヤに取り付けやすそうなブッシュ&ミューラーのSeculite Plus diode rear lightにすることにしました。ついでに使えるかどうか分からないが取り付け治具のcross-bracket for cantilever brake bossもこの際なので同時に注文。
そして満を持して海外通販。海外でSONのハブダイナモを扱っているのはよく知られているところでSJSサイクルとSTARBIKE。今回はStaraBikeに注文。初StarBikeでした。
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